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ビブリオバトル2023

Category : 日常的雑記
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読書の秋。
先日は図書館イベントに参加しました。
ビブリオバトルにバトラーとして参戦。
京極夏彦の『鵼の碑』をプレゼンして参りました。

ビブリオバトルとは、バトラーが5分という限られた時間で好きな本を紹介し、質疑の時間も含めて聴衆が読みたいと思った本に投票し、得票数の一番のチャンプ本を選ぶというもの。緊張。人前で話す機会って、私はそうそうないのです。話をいい加減に聞かれるのは本意でないが、しっかり耳を傾けて聴かれるのも緊張感がある。本好きな人は、人の言葉もよく理解しようとする姿勢がある印象です。否定も批判もしないのがルールです。【正しい↔誤り】で他者を判じようとしないのは社会福祉の原則にも云えることです。尊重。みんな解ってることだけど、それをできているひとは少ないのでは?

京極の新作のプレゼンは楽しくできました。
なにより、この本のヴィジュアルが興味を引くモノです。
モノ。ほんと本がモノだ。
単行本サイズは1280頁。厚さ6.5㎝。重さ1.2㎏ある。

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京極作品は妖怪小説と云われている。しかしお化けは登場しないし、そもそもお化けは存在しない。それを妖怪小説たらしめているのは作品が妖怪的な不穏を感じさせるから。鵼(ぬえ)と云う妖怪もわけがわからない。頭が猿で胴体が狸、手足が虎で尻尾が蛇なんて生き物は存在しないのです。存在しない、というのがこの小説の味噌かもしれない。

舞台は昭和二十九年の日光。徳川家康が祀られている日光東照宮のある土地を舞台に蛇の章、虎の章、貍、猨、鵼の章ごとに登場人物の視点が変わりながら話が複合的に混じる。物語終盤にみえてきた事件の全体像が京極堂により真実が明らかにされると、想像以上の驚きがあります。

本作についての著者対談で「読書は旅行のようなものだ」と京極さんは話しておられました。読了し、我が家に帰ってきて「なんだか楽しかったナア」と思えたのならそれでいいのです。この小説を読み、昭和二十九年の日光ミステリ旅行へと出かけてみませんか?

――という旨のスピーチをして参りました。
ではでは。

令和五年夏を回想す

Category : 日常的雑記
令和五年の夏は、それなりに忙しかった。シフト制なので仕事はほどほどに、まとまった連休をいただけたので漫画原作の賞に応募するネームを書くなどしてすごしました。

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図書館ボランティアでは小学生を対象にした夜の図書館探検イベントに絵本の読み手として参加しました。それからジブリ映画『君たちはどう生きるか』に自問自答する期間を経て、ちょっと怪しい[野の医者]というワードの本を読んだり。

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ひとは皆、自分の物語を欲しているという仮説を立て、創作活動を通してひとつ答えのようなものを得ました。漫画ネームを書きながら、これは私が私を癒すためのストーリーだと思い、自分の空想の箱庭で展開される物語にナントカ療法の一端をみた気がしたり。

それは仕事である老人福祉にも関わることで、ひとりひとりに人生の物語があり、私たちのケアはその人の物語に耳を傾け共感しあうことで、その信頼関係がよいケアの助けになるということ。他者を批判したり誹謗中傷する世界から距離をとり、個を慈しみ、肯定し、互いに癒す関係性が人間が人間をケアするということなのだと今結論付けました。そう、私たちは他者を癒すことで自分をも癒すことができるのだ。

物語を書くこと。
ひとは皆自分の人生を一冊は小説にして作品を発表できる物語をもっている。
本に親しむ人たちは皆やさしい。
ひとを大切にしているので、正誤判定しない。
やさしい世界は現世に既に、ある。

暑中お見舞い申し上げます

Category : イラスト
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狂気に似た。
学生時代に夏期講習のある学校で仲間に雪女のイラストポストを配った。
今思い出してもなんて ぶ き み な…行為。

あの頃のわたしたちは何者でもなくて
特別な何者かになりたかった。


イラストは漫画『幽遊白書』より 雪菜[氷女]

オリックス○5‐4●日ハム@ほっと神戸(R.5.7.22)

Category : スポーツ
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今は昔、グリーンスタジアム神戸といふ野球場ありけり。
イチロー選手を筆頭に黄金時代を築きけり。

オリックス。長い暗黒時代を抜け出し、今。パリーグを連覇中。
今シーズンもここまで首位をキープしている(7月23日時点)

さりとて、近鉄バファローズと合併してのちは、神戸での試合開催が減少し、今年も8試合の開催にとどまる。郊外に住むので総合運動公園までは車で。近年の好調なチーム事情でお客さんも満員!こんな時代がくるなんてッ

2回表に4点を献上し難しい展開。しかし直後の攻撃で先頭のセデーニョ選手のソロ本塁打で反撃ののろしをあげると、野口選手にも2点本塁打が飛び出し試合の主導権は譲らない。この日はブルペンデーで中継ぎ投手陣の継投で試合をつくる。山岡投手の謎のユニフォーム忘れもあったが、失点は許さない。終盤に紅林選手の適時打で追いつくと、9回裏に若月捕手のサヨナラ本塁打で劇的な勝利をあげました。

ずっと贔屓にしている球団。
オリックスファンは評判もよいらしい。
弱い時代があったとて、ファンは離れない。

趣味読書について

Category : 日常的雑記
趣味、読書についてつらつらと考えたい。

私が小説を読むことを習慣にしたのは大学生になる頃です。私は中高生時代を「何を考えているかわからないひと」として生活していました。友人との登下校時の会話も3人いたら私は一緒に話をきいているだけ、とか。気の合う友人とも二人で何を話していたのか思い出せないし、クラスメイトにも私は何を話すのかわからない存在だったのだろうと思う。自分でも自分の気持ちを伝えるための言葉をもっていなかったのだから。
そんな私は大学デビューをひかえ、このままボキャ貧のままでいるとヤバいぞ…と危機感で「本を読まねば」と真剣に思ったのでした。気の合う友人に真剣にそう話すと「あほか」いわれたけど。

本を好きな人の言葉が私を本の世界に誘ってくれた。小説家さんも自身の書斎や、読書体験を文芸誌などメディアで言葉にして、本を読むことの面白さを伝えてくれるいい時代に生きていてよかった。好きな読書を、文芸を仕事にしている人が巧みな言葉で読者に伝えてくれることが「敷居は低く、間口は広く、奥行きは深い」読書を趣味にする契機になりました。

自分の興味のアンテナを思うままに伸ばし、読み、読み、読みまくる。そんな時間のあった時代は私にとって今の支えになっている。今はいい時代です。作家さんも個人のSNSアカウントで情報発信したり、日常を言葉にしてくださったり。作家さんをもっと身近な存在になっていたりするのかな。

「受容」「共感」という言葉が、私のテーマになっているようです。
自分ではない人の言葉を自分のことのように消化することを読書でしてたのだろうと思う。
小説の言葉を、批判や批評をするように読むことは不思議と私はなかった。
利己的に、自分の思う通りに…ならない物語をそのままの私で読んだ。
読書は、他者の思考を沈黙の中で聴く行為。物語の展開をそのまま受け入れる行為。

それは一方通行のようで、読者は自分の気持ちとも対話することになる。そうして自分の言葉をもたなかった私は今、誰かの言葉を養分に自分と対話し、誰かと混じった何者かの私になった。ふくざつに。

ふくざつ。だけど、それはあまりに人間的で好き。そんな自分を好き。
好きなことを、好きな言葉で、自在に扱うことができ、それを他の読み手と共有することが今の時代はできる。読書歴二十余年。私は今年、二度目の成人を迎えた。

Profile

ヨースケ

Author:ヨースケ
Blood:B
Cycle:亥
Delight:読書/弾き語り/読み聞かせ

考え事が趣味みたいなもので、厄介で。
ひとに優しくいられたらいいなと思う。

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